杖と呪文の仕組み/初級編
Noitaの重要なシステムの一つである杖の基本的な仕組みのうち、初歩的な部分といくつかの概念についての解説です。
プログラミング経験者ならばすぐに理解できるでしょう。また、ある程度ゲームに慣れている方でも、読み直すことで新たな発見があるかもしれません。
シャッフルとリチャージ
シャッフルいいえの杖は、セットされた呪文を「左から右」に順番に読み込んで詠唱します。
最もシンプルな構成では、1回の射撃につき1つの呪文を詠唱し、全ての呪文を撃ち切るとリチャージが行われます。
例:
上記のようにセットすると、詠唱される順番は以下のようになります。
最後の魔法のボルトを詠唱した段階で、ワンドは「リチャージ」を始めます (画面右上にゲージが現れます)。
リチャージ時間が経過しゲージが満タンまで溜まると、再びエネルギーオーブから詠唱することができます。
リチャージ時間よりも詠唱遅延時間の方が長い場合、リチャージが終わったあとも詠唱遅延が解消されるまで杖を使用することは出来ません。
シャッフルはいの杖
シャッフルはいの杖は、以下のように呪文を射出します。
- スロットの中からランダムにひとつが選ばれ、そのスロットの呪文が詠唱される。
- 選ばれたスロットは詠唱済みになる。
- 詠唱済みになっていないスロットの中から再びランダムでひとつが選ばれ、その呪文が詠唱される。
- スロットがすべて詠唱済みになるまで繰り返す。
ランダム性が高くなるため、安定して期待した魔法を使用することは難しくなります。
そのため、基本的にはシャッフルいいえの杖の方が好ましいです。しかし、シャッフルはいの杖はシャッフルいいえの杖より性能が高いことが多く、効果的に用いることも可能です。
放射物調整盤呪文
放射物調整盤呪文は、発射される呪文に効果を加える呪文です。
基本的に、調整盤呪文の「右」に置いた呪文に効果を与えます。そのため、呪文の順番がとても大切です。
例）シャッフルいいえの場合：
- ノーマルなエネルギーオーブを詠唱
- スピードアップの影響を受けたバウンドバーストを詠唱
- ダメージプラス＆炎の痕跡が適用されたスパークボルトを詠唱
調整盤呪文は、2つ以上を同時に適用することもできます。
調整盤呪文は基本的に「次の発射」に対して適用されます。
そのため、調整盤呪文が杖の最後にセットされている場合、リチャージ後の次の発射時に適用されます。
マルチキャスト呪文
マルチキャスト呪文は、一度に複数の呪文を詠唱する呪文タイプです。
例）シャッフルいいえの場合：
- 3倍呪文を詠唱（エネルギーオーブ、バウンドバースト、スパークボルトを同時に発射）
この杖は1度に全ての呪文が発射され、同時にリチャージが発生します。
マルチキャストは複数組み合わせることも可能で、3倍呪文の代わりに2倍呪文を2枚使うことでも同様の効果が得られます。
また、調整盤は複数の呪文に対して適用することが出来ます。
- ダメージプラスの影響を受けたバウンドバースト、スパークボルトが同時に発射される
調整盤の効果が等分されたり、放射物呪文の枚数だけ消費マナが増えるということも無く、実質的に効果が放射物の数だけ倍増します。トリプリケイトボルトのような複数弾の呪文でも有効です。
基本的に放射物を増やせば増やすほどお得ですが、詠唱遅延や拡散には気を付けましょう。
マルチキャスト呪文に続く呪文が足りない場合、調整盤呪文と同様にリチャージされて杖の先頭から呪文を同時に詠唱します。
この現象は杖ループ(スペルラッピング)と呼ばれるメカニズムによるもので、詳細は上級編で説明されています。
具体的には以下のような動作となります。
- スパークボルトを詠唱
- バウンドバースト、エネルギーオーブ、スパークボルトを同時に発射
トリガー系呪文
Noitaの呪文の中には、プレイヤーから離れた位置から撃てた方が都合がよい呪文や、爆発系などのその場で撃つと自殺してしまうような危険な呪文があります。そうした呪文をうまく使うためにかかせないのがトリガー / タイマーなどのトリガー系呪文です。
トリガー系呪文は、スパークボルトなどの一部の呪文にアイコンの付いた、タイマー付きスパークボルトといった1つの呪文として入手できます。
トリガー系呪文の発動条件は以下の通りです。
- トリガー呪文は、トリガー呪文が敵や地形に着弾したときに、その位置からトリガー内の呪文を発射します。
- タイマー呪文は、トリガー呪文の条件に加え、発射して一定時間経過後にタイマー呪文の位置からタイマー内の呪文を発射します。
- 消滅トリガー呪文は、消滅トリガー呪文が消滅した際に消滅トリガー内の呪文を発射します。
これらの呪文は、(シャッフルいいえの杖であれば)右に置かれた呪文を格納して詠唱します。
例）シャッフルいいえの場合：
- エネルギー球体が発射
- エネルギーオーブを含んだトリガー付きスパークボルトが発射され、敵または固体等に着弾するとエネルギーオーブが発射される。
- スピッターボルトが発射
- リチャージされまた最初から繰り返す
上記の場合、杖にセットされた呪文を一巡させるには3回の詠唱(マウスクリック)が必要です。
トリガー呪文とマルチキャストと同様に複数の呪文を一度に発射しますが、その位置とタイミングが異なります。
また、1度に発射されるものの、トリガーの内外では別のグループとなっており、調整盤効果などが共有されません。
これには詠唱遅延も含まれるため、トリガー内に詠唱遅延の長い呪文をセットすることにより、詠唱遅延を実質的に無視することが出来ます。(リチャージ時間は不可)
この仕組みは詠唱ブロックと呼ばれており、詳細は上級編で説明されています。
シャッフルはいの杖の場合
シャッフルはいの杖の場合は例によってランダムに詠唱されます。
ランダム化されるため、トリガー内にどの呪文がセットされるかは予想できません。 トリガー内にセットしたい危険な呪文が手元から発射される場合があるため、シャッフルはいの杖では自傷呪文を使用しないことをオススメします。
まとめ
上記で説明した内容を組み合わせたいくつかの例を提示します。
例A
- トリガー付きの魔法の矢を詠唱
- 魔法の矢が着弾すると、炎の痕跡がついた3つのバブルスパークを詠唱
上記で説明した通り、同時詠唱された放射物呪文に調整盤が適用される場合、全ての放射物に効果が発生します。3つのバブルスパークに影響がありますが、炎の痕跡のマナは1個分しか消費しません。
この杖の目的は、着弾した敵を3つのバブルスパークで攻撃すると同時に、地形等に着弾した際に周囲に炎を撒き散らし、敵を炎上させて無力化することです。
この杖からはまず、トリガー付きの魔法の矢が発射され、標的に着弾するとトリガーから3倍スキャターによって3つのバブルスパークが発射され、炎の痕跡が流れ出します。3倍スキャターは元々22.9度の拡散を持つバブルスパークへ更に拡散を+10度追加し、バブルスパークと炎の痕跡の効果をより広範囲に拡大させます。
例B
シャッフルありのため、上記における詠唱パターンは4パターンです。
- 通常のスパークボルト1発
- 通常のスパークボルト2発
- 燃焼の痕跡がついたスパークボルト1発
- 燃焼の痕跡がついたスパークボルト2発
シャッフルありは扱いが難しいですが、シャッフルいいえの杖よりも性能が高いものが多く、速射に向いています。
また、マルチキャストを入れることで杖のスロットを一巡させるスピードが上がり高速化を図ることができます。
例C
例Bと同じ構成ですが、ワンドの呪文詠唱数が「2」です。
この場合はスパークボルトが1発しか出ないということが無くなり、スペルの循環も早くなります。(リチャージ回数が多くなります)
同時詠唱数を増やしたり、セットする放射物呪文を減らすことで、シャッフルはいの杖でも有効に活用することができます。
クリティカルヒット
クリティカルヒットは与えるダメージが5倍となります。詳細については別ページにて解説されています。
クリティカルヒットページをご確認ください。
さいごに
杖の作成は『Noita』の醍醐味のひとつですが、そのシステムは難解でもあります。
このガイドで、すべてのプレイヤーがゲーム内で見つけた呪文や杖を最大限に活用する方法を知り、それらを活用して、終盤まで活躍できるクレイジーな神の如き杖を作ることができるようになればと願っています。
このガイドを読んでもっと知りたくなった方は、 上級ガイドに進んでください。ここでは杖のステータスが呪文にどう影響するか、特定の呪文を利用してマシンガンワンドを作る方法、マルチキャストや常に呪文を詠唱といった特定の杖の癖が他のものとどう関係するか、といった細かい部分について説明します。