杖と呪文の仕組み/トリガー追加編
トリガー追加系スペルのメカニズム
トリガー追加スペルには3つの種類があります。 左から順を追って、
- 衝突トリガー:壁や敵などとにかく衝突すると中身をキャストします。
- タイマートリガー:一定時間が経過したり、またはその内に衝突すると中身をキャストします。
- 消滅トリガー:どんな理由であれ、消滅すると中身をキャストします。
になります。トリガーが追加されるメカニズムは、
- 1.暫定的なターゲットスペル候補を探す
- (自分の後ろにあるスペルを杖の端に至るまで順番にチェックしながら)
- 2.ターゲットスペルの検証を行う
- 3.トリガーの中に入れる、ペイロード(直訳すると荷物、つまりトリガー先)の有無をチェックする
- (ターゲットスペルの後ろにあるスペルを杖の端に至るまで順番にチェックしながら)
- 4.ターゲットスペルとペイロードで新しいスペルを作る
になります。1の過程では、ほかのトリガー追加系スペル、受け身、マルチキャスト、その他のスペルは無視されます。
放射物調整盤も無視されますが、このスペル達の効果だけがマナ流出無しで現在のキャスト状態に蓄積されます。
ターゲットスペルの対象には、放射物、静電放射物、ユーティリティー、資材が含まれます。
トリガー追加スペルがスキップしたスペルは1~4が成功した場合のみ捨てられ、破棄札に送られます。 つまり、1~4のチェックが失敗すると、また呼び込めることも可能です。
(正しいスペルタイプを持った)ターゲットスペルを探す過程の途中で、
トリガー追加とスパークボルトの間にあるスペル達は全部スキップされます。
この時、放射物調整盤の貫通ショットとヘビーショットはマナコスト無しでスパークボルトに付きます。
そのスパークボルトにトリガー属性が付き、スピッターボルトがペイロードとして選ばれ、スピッターボルトをキャストする貫通ショット+ヘビーショット+トリガー付きスパークボルトがキャストされるわけです。
注意する点は、マナを追加するをスパークボルトの前に置くと、マナを追加するのマナ流出の”-30マナ”も無しにされて、マナの節減効果を受けなくなることです。
有用なターゲットスペルサーチ失敗
サーチメカニズムが失敗する条件は、
- タイプが適切なものではないスペル
- 残りの使用回数が0の放射物
- 以下に含まれるスペル
です。ではサーチが失敗する場合を見てみましょう。
この杖をキャストすると、
1回目のキャスト
- 3倍呪文キャスト
- スパークボルト、スピッターボルトをドロー、キャスト状態に追加
- トリガー追加をドロー
- トリガー追加は順番に進みながら適切ななターゲットスペルのが出るまでサーチを始める
- 5番、6番は放射物調整盤、7番は上で説明した例外に入るためスキップされる
- が、貫通ショット、ヘビーショットは"キャスト状態には追加される”
- 杖の端に到達、ペイロードを探し損ねたため、貫通ショット、ヘビーショットはデッキに再び戻される
- 全てのドロー処理が終わったのでキャスト状態にある貫通+ヘビーショット付きのスパークボルト+スピッターボルトが発射される
になります。この状態でもう一度キャストすると、
2回目のキャスト
- 貫通ショットキャスト、ヘビーショットをドロー
- ヘビーショットは血の魔法をドロー
- 血の魔法はドロー1、杖の端で到達したためスペルラッピング発生
- 破棄にあった3倍呪文キャスト、スパークボルト、スピッターボルト、トリガー追加をデッキに戻し、ドロー再開
- 3倍呪文キャストがスパークボルト、スピッターボルト、トリガー追加をドロー
- トリガー追加のターゲットスペルサーチ、デッキは空でスペルラッピング中なためドロー出来ず不発
- ヘビーショットは血の魔法をドロー
- 全てのドロー終了、貫通+ヘビーショット+血の魔法付きのスパークボルト+スピッターボルトが発射される
になり、貫通ショットとヘビーショットが総合で2回使えたことが分かります。
実際のシミュレーション結果でもスペルラッピングされずとも
貫通ショットとヘビーショットが2回読まれるのが確認できます。
有用なペイロードサーチ失敗
ターゲットスペルのサーチには成功したけどペイロードのサーチには失敗した場合、
ターゲットスペルは発射されて捨てられますが、ターゲットスペルのマナは消費されません。
例を見てみます。
この杖をキャストすると、
- トリガー追加キャスト
- ダメージプラスをドロー、無視
- 隕石をドロー、ターゲットスペルに設定
- ペイロードサーチ失敗、ダメージプラス+隕石が発射
- (マナ消費量=トリガー追加分の10)
ダメージプラス+隕石の、本来は5+150=155も掛かるスペルをたったの10のマナ消費で終わらせるわけです。
- 2倍呪文キャスト
- トリガー追加キャスト
- ダメージプラスをドローし、無視
- 隕石をドロー、ターゲットスペルに設定
- ペイロードサーチ失
- (ダメージプラスと隕石が捨てられる)
- トリガー追加キャスト
- 2倍呪文の残りのドロー処理で3番のダメージプラスが”スペルラッピングされて”ドローされる
- ”スペルラッピングされた”ダメージプラスが”スペルラッピングされた”隕石をドロー
- ドロー処理終了
- (マナ消費量=トリガー追加10+ダメージプラス10+隕石150=170)
本物のスペルはトリガー追加によって捨てられましたが、
マルチキャストを追加することによって、まるで”スペルラッピングするように”スペルを複数回利用することができます。
ただし、二つ目のダメージプラスと隕石はトリガー追加を通らなかった、”正常的に”キャストされたスペルなので、マナは消費されます。
だとしても、結果のそれぞれダメージプラス2つ付きの隕石2つを半分+トリガー追加分の10だけのマナでキャスト出来るのは相変わらず魅力的です。
これを上手く使えば放射物調整盤を安く増殖することも可能です。
- 4倍呪文キャスト
- トリガー追加1キャスト
- ダメージプラス4個の効果だけピックアップ
- 隕石をターゲットスペルに指定、ペイロード見つからず不発
- トリガー追加2キャスト
- ダメージプラス4個の効果だけピックアップ
- 隕石をターゲットスペルに指定、ペイロード見つからず不発
- トリガー追加3キャスト
- ダメージプラス4個の効果だけピックアップ
- 隕石をターゲットスペルに指定、ペイロード見つからず不発
- トリガー追加4キャスト
- ダメージプラス4個の効果だけピックアップ
- 隕石をターゲットスペルに指定、ペイロード見つからず不発
- トリガー追加1キャスト
つまり、それぞれダメージプラス16個が乗った隕石4個がたったのトリガー追加×4+4倍呪文=45マナだけでキャストされるわけです。
応用
ここからは応用編です。
音色の呪文はその他タイプです。
その他タイプのスペルはトリガー追加の対象になりません。上の杖の場合、
- 2倍呪文がトリガー追加をドロー
- トリガー追加がダメージプラスの効果だけピックアップ
- 音色の呪文はその他のためスキップ
- ターゲットスペル見つからず不発
- 2倍呪文がダメージプラスをドロー
- ダメージプラスが音色の呪文をドロー
- 全てのドロー処理終了、ダメージプラス2個付きの音色の呪文キャスト
されます。
上記した例と似た例です。
- 4倍呪文キャスト
- スライムボールドロー
- トリガー追加1ドロー、キャスト
- ダメージプラス3個の効果だけピックアップ、ターゲットスペル見つからず不発
- トリガー追加2ドロー、キャスト
- ダメージプラス3個の効果だけピックアップ、ターゲットスペル見つからず不発
- 5番のダメージプラスドロー
- ダメージプラスが残りのダメージプラス2つをドロー、スペルラッピング起きらず
- 全てのドロー処理終了、ダメージプラス9個付きのスライムボールキャスト
こういう風にターゲットスペルとペイロードの両方に放射物調整盤を付けることも出来ます。簡単に書くと、
- タイマー追加キャスト、テストは花粉とバブルスパークでパス
- ダメージプラス4個の効果だけピックアップ、花粉にタイマーが付き、ペイロードとして2倍呪文がドローされる
- バブルスパークがドローされ、キャスト
- 2倍呪文の残りのドロー処理、デッキは空になったため、スペルラッピングが行われる
- ダメージプラス4個がドローされ、最終的に花粉がどろーされる
- ダメージプラス4個の効果だけピックアップ、花粉にタイマーが付き、ペイロードとして2倍呪文がドローされる
- 全てのドロー処理終了、キャスト処理
になり、ダメージプラス4個付き+タイマー付きの花粉→ダメージプラス4個付きの(花粉+バブルスパーク)がキャストされることが分かります。
トリガー中にトリガーを入れる方法
トリガーの中にトリガーを入れる方法は大まかに、
- ターゲットスペル/ペイロードのテストを通過させる
- 実際のペイロードの発動を不発させ、スペルラッピングを起こさせる
で実現出来ます。
簡単に考えてみましょう。例えばこの場合、1つ目のトリガー追加は2つ目のトリガー追加を無視すし、トリガー追加自体はスペルラッピングを起こさせないため、
- 1回目のキャスト→スパークボルトを含んだトリガー付きのスパークボルト
- 2回目のキャスト→トリガー追加だけキャスト、杖の端に至り、スペルラッピング起こらず終了
になり、この方法ではトリガーの中にトリガーを入れることが出来ないということが分かります。
では、どうすればいいのか。
マルチキャストの利用
花粉の例の時のように、2倍呪文を使っても可能です。
- 1番のトリガー追加キャスト
- 1番のトリガー追加のテストはスパークボルトと花粉でパス
- 2番のトリガー追加、スパークボルト(トリガー付き)が捨てられる
- ペイロードとして2倍呪文がドローされ、キャスト
- 5番のトリガー追加をドロー、キャスト、だがペイロードが見つからず、ターゲットスペルにした花粉だけキャストし破棄、自分も捨てられる
- 2倍呪文の残りのドロー処理、デッキは空になったため、スペルラッASDトされる
- 全てのドロー処理終了
になり、トリガー付きスパークボルト→花粉+トリガー付きスパークボルト→花粉が最終的にキャストされます。
使用回数は0のスペルの利用
(ブラックホールの使用回数は0の状態)
放射物が複数発射されるスペルの場合、それぞれの放射物にトリガー属性が付きます。
だけど、デッキはハンド、破棄のような杖の状態は共有します。
- 1番のタイマー追加キャスト
- ターゲットスペル=球電光、ペイロード=ブラックホールでテストクリア
- 2番のタイマー追加、バウンドを無視し、捨てる
- 球電光をトリガー付きでキャスト、捨てる
- 球電光の1つ目の球はペイロードとしてブラックホールをドロー
- ブラックホールは使用回数が0のためキャストが不発に終わり、ブラックホールは捨てられる
- 球電光の2つ目の球はペイロードを探しにドローを試み、スペルラッピングが起こる
- 破棄されていた2番のタイマー追加、バウンド、球電光、ブラックホールがデッキに戻る
- 2番のタイマー追加キャスト(下参照)
- 球電光の3つ目の球はペイロードを探しにドローを試み、スペルラッピングが起こる
- 破棄されていたブラックホールがデッキに戻り、キャストされ、不発に終わる
- 球電光の1つ目の球はペイロードとしてブラックホールをドロー
- 全てのドローが終了、放射物が発射される
- 2番のタイマー追加キャスト
- バウンドを無視し、捨てる
- 球電光をトリガー付きでキャスト、捨てる
- 球電光の1つ目の球はペイロードとしてブラックホールをドロー
- ブラックホールは使用回数が0のためキャストが不発に終わり、ブラックホールは捨てられる
- 球電光の2つ目の球はペイロードを探しにドローを試み、スペルラッピングが起こる
- 破棄されていたバウンド、球電光、ブラックホールがデッキに戻る
- バウンドーがドローされ、球電光をドロー、キャスト
- 球電光の3つ目の球はペイロードとしてデッキに戻ったブラックホールをドロー、不発
- 結果的に”実際の”1番のタイマー追加、2番のタイマー追加、バウンド、球電光がキャストされハンドに、ブラックホールは破棄され破棄札に戻った状態になり、2番のタイマー追加の処理終了
になります。ターゲットスペル/ペイロードのテストにおいて、使用回数が0のスペルはターゲットスペルの対象にはならないけど、ペイロードの対象には成り得ることを利用した例です。
つまり、"トリガー追加自体のドロー"ではなく、"トリガー追加自体ののドロー処理が終わった後、他の何かによる追加的なドロー"で可能になったわけです。
上記の場合はトリガー追加スペルのテストが通過し、トリガー付きのスペルは正常的に生成されて、トリガー追加のもの(スペルラッピングが起こせない)ではなく、トリガー付きのスペルによるドロー(スペルラッピングが起こせる)が発動したからとも言えるでしょう。
(demonstrated by Discord users ArmedWithWings and ᓚᘏᗢ.ʈ҄‾‵ ~ Noby)
必須スペルの利用
(必須の条件は未達成された状態)
本来のペイロードがなくなり、他のスペルによる追加的なドローによるスペルラッピングを起こす場合です。
- 1番のトリガー追加キャスト
- 1番のトリガー追加のテストを鋸刃とルミナスでパス、トリガースペルが生成される
- 2番のトリガーを無視して破棄し、鋸刃をトリガー付きでキャスト及び破棄
- ペイロードとして必須がドローされキャストされるが、効果でルミナスが捨てられる
- 必須は破棄をした後、ドローをもう1回行うため、ドローが行われるが、杖の端に至り、スペルラッピングが起こる
- 捨てられて2番のトリガー、鋸刃、ルミナスがデッキに戻る
- 必須のドローで起こったスペルラッピングなため、必須はハンドに残り、デッキには戻らない
- 2番のトリガー追加キャスト
- 2番のトリガー追加のテストを鋸刃とルミナスでパス、トリガースペルが生成される
- 鋸刃をトリガー付きでキャスト及び破棄、ペイロードとしてルミナスが(必須がデッキからいなくなったため)正常的に読み込まれる
- 2番のトリガー追加の処理終了
- 2番のトリガー追加キャスト
- 必須は破棄をした後、ドローをもう1回行うため、ドローが行われるが、杖の端に至り、スペルラッピングが起こる
- 1番のトリガー追加処理終了、全てのドローが終わり、発射
で、トリガー付きのオメガディスク→トリガー付きのオメガディスク→ルミナス
が発射されます。
トリガー追加によるドローが必須によるドローに替えられスペルラッピングが可能なドローに変わり、
さらに必須の効果によって次のスペルが消され、スペルラッピングが行われた結果です。
さらにルミナスをタイマー付きスペルで置換すれば、最後に呼ばれたルミナスがもう一度スペルラッピングを起こし、捨てられて鋸刃だけをドロー、トリガー先へ追加します。
すなわち、トリガー付きのオメガディスク→トリガー付きのオメガディスク→タイマー付きのルミナス→オメガディスク
がキャストされるわけです。
オメガディスクは貫通効果付きなので、敵に当たった瞬間無数なオメガディスクが飛び出ることになります。
全てのスペルのキャストが正常的にされてはいるので、全部のマナ消費を合算した120マナが最終のマナコストになります。
(Special thanks to :Kumademe, Nananora)
たったの5個の長さでここまで頭を悩ませるだなんて、ノイタって楽しいですね。
再編集:Tensama0415
情報源:殆どは英ウィキのページから、他のNoitaの掲示板と色々